福岡の児童劇団が来年1月公演、箱館戦争舞台、郷土の高松凌雲テーマに
update 2005/10/31 10:20
【福岡】新選組ブームの中、箱館戦争で活躍した旧幕府軍医師、高松凌雲(1836―1916年)をテーマに、福岡県小郡市の児童劇団が舞台げいこに励んでいる。凌雲は小郡出身で、敵、味方の区別なく傷病兵に治療を施し、日本で最初の「赤十字活動」をしたことで知られる。公演は来年1月で、劇団を主宰する小学校講師、大平太悟さん(28)は「小学生と見られる芝居はしたくない。やるなら最高のエンターテインメントを」と話している。
上演するのは2002年8月に発足した「みくにっこ劇団」。桃太郎を題材にさまざまな創作を織り込み、03年2月に旗揚げ公演「桃太郎外伝〜鬼変桃児奇聞」を小郡市の小さな公民館で上演。2日間で400人の観客を集め、大盛況だったという。
現在は3代目劇団員17人とOBなどで芝居づくりに励んでおり、来年1月28、29日に小郡市文化会館大ホールで「箱館戦記 新章〜静かなる獅子」(原作・演出、大平さん)を上演する。
桃太郎同様、創作を加えたストーリーに仕上げた。箱館戦争で死に場所を求める新選組副長、土方歳三と、戦に身を投じながら人の命を助ける凌雲の出会いから始まる。土方は凌雲の献身的な活動が理解できず、冷たく接してしまう。やがて2人は理解し合うが、土方は一本木で撃たれる―。
凌雲の弟子として新渡戸稲造も登場し、戦争の悲惨さを見て、新渡戸の後の人生が始まることも伏線にした。
劇団員も大平さんも「函館は未踏の地」で、インターネットや図書館などで函館の歴史や風土を調べたという。
大平さんは「地元では年配の方々が抱く凌雲のイメージが強すぎ、これを打破するような凌雲像をつくり出したい。久留米藩で武士見習いをしていたこともあり、剣術にも優れた人物像にするなど、工夫もしています。凌雲先生の博愛の精神のみならず、戦争の根源を追及していければ」と話している。
提供 - 函館新聞社
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